2008年05月21日
天領・日田を見て学ぶ 天領日田資料館

日田市を語る上で、避けては通れない二つの町があります。隈町と豆田町。
特に豆田の町並みは、観光客にも地元の方にも愛され続けてきた、風情溢れる町並みが特徴です。
天領という名で親しまれる、愛すべき日田市。
天領とは一体何なのか?
そして豆田町の町並みがなぜ貴重な町並みなのか?
それらを知るなら、うってつけの場所が、豆田の街中にあります。
『天領日田資料館』
知ることで、さらにその凄さ・奥深さを感じる、日田という町。
歴史ファンはもちろん、日田市のファンの方なら押さえておきたいスポットの一つです。
※通常、館内での写真撮影は厳禁です。ご注意下さい。

大分に夏が来る!
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天領日田資料館は、豆田町の入り口、草野本家のすぐ隣にあります。白壁の重厚で立派な建物は、昭和63年にオープンした資料館の目印。草野本家と比べても見劣りしません。
入館料は大人310円ですが、日田市の大好きな方ならすの小銭は決して高くないお値段でしょう。
館内はかなりの広さの平屋のホール状態。四方の壁際と真ん中に通路を作るように、展示品が置かれています。入り口を入るとすぐに受付があり、ここで入館料を支払うシステム。
では館内の様子をご覧頂きながら、全国でも珍しい天領・日田市の歴史を振り返りながら、日田市の反映の歴史を勉強していきましょう。
1593年、大友宗麟の子である大友吉統が、朝鮮出兵の不始末で豊臣秀吉の怒りに触れ、領地を没収され、豊後国の領地は一時的に幕府の直轄地として編入されました。
1594年、宮木長次(郎)が玖珠郡・日田郡の代官として日田入り。これが天領(幕府直轄の領地)としての日田市の歴史の始まりです。
宮木代官は、亀山(現在の亀山公園)に日隈城を造り、城下町を隈町と名づけました。
さて、天領日田資料館の展示品の中でも、特に貴重で価値の高いものがこの下の『豊臣秀吉朱印状』です。
宮木長次に日田五千石を治めさせるという辞令の様なもの。一見の価値ありですね♪

九州のほぼ中央に位置する日田は、17世紀後半頃には東西交通の要地を活かし西九州各地と上方、瀬戸内との仲介商業を手掛ける様になり日田商人達は資本の蓄積に成功し、めざましい活躍を見せ始めます。
18世紀半ば、各地の農村での商品生産が発達する一方、商人の中から諸藩の御用達になる者も現れ、代官の権限をバックに、天領の年貢米の出荷から、大阪・江戸・長崎への回送、納入された金銀の財務をつかさどる掛屋(公金なども扱う現在の銀行の様な職)に任じられるようになりました。
掛屋商人達は公金を無利子で預かり、九州の諸大名などに貸し付け、利息で莫大な利益を上げることになるのです。
後にこれらのお金は、日田市そのものを現す『日田金』(ひたがね)と呼ばれるようになるほど、当時の日田市は繁栄を極めていました。

日田市が江戸幕府にとって重要拠点であったことを表す証拠があります。
天領自体は、全国的に特別珍しいわけではなく、日本全土に約50ヶ所ありました。
その中でも特に重要な場所四箇所には『郡代役所』を置いていたのですが、その四箇所こそ江戸・高山・笠松と、この日田だったのです。
日田は『西国筋郡代』として九州諸大名のお目付け役という大変重要な役割を果たしていたのです。

交通の便も良い、財政的にも恵まれている、天領として治安も良い。こうなると人は自然に集まってくるわけで…こうして日田には多くの文化人が集うようになってきました。
ここ、天領日田資料館にも当時日田を訪れた、又は在住であった多くの文化人・芸術家たちの作品などが飾られています。
下の写真は左が森春樹作の屏風。右も見事な書体で描かれた屏風です。


そして日田を代表する文化人といえば、やはり儒学者・広瀬淡窓は外せません。
全寮制の私塾・咸宜園(かんぎえん)を開塾し、身分や年齢などにとらわれず、平等に学ぶことができるという画期的なアイデアを採用した。
結果、多くの優良な生徒を輩出し、その名は全国に轟く事になりました。広瀬淡窓については、また別の機会でお話しするとしましょう。
ちなみに…現大分県知事の広瀬勝貞は弟広瀬久兵衛の子孫にあたり、子供のいなかった淡窓の後を久兵衛が継いだことを考えれば、正統な血筋なのです。

270年以上続いた天領としての繁栄の歴史も、江戸時代の終焉と共に終わりを告げ、豆田町も徐々に静かな町へと変わっていきます。
しかし、古いものに現代人が興味を持ち始めた、平成16年12月、豆田町は歴史的町並みが評価され、重要伝統的建造物群保存地区として国の選定を受けました。
最大の特徴は、高山などの同じ天領地区と異なり、江戸時代だけではなく、明治前期・後期、そして大正と、時代によって建造物の特徴が良く分かるほど、見事に時代別の建物が分散されていることでしょう。

こういった天領・日田、そして豆田の町並みが一箇所で勉強できる、天領日田資料館。貴重な展示品の数々に思わず目を惹かれることでしょう。
日田市が大好きな人にこそ、お勧めしたいスポットです。私もまた少し、天領・日田が好きになりました。
天領日田資料館
日田市豆田町11-7
TEL 0973-24-6517
入館料 大人 310円 小中高生 210円
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